朝涼の目線

-暴走と黙認について考える-
オリンパス事件、大王製紙事件では経営陣が虚偽不正行為によって不正の利益を得て、会社、関係者に多大な損害を与えた。 これらの事件は経営陣の暴走と黙認が繰り広げられた結果である。 過去にも同種事件は発生している。オリンパスには社外取締役、社外監査役が、大王製紙には社外監査役が存在していた。今後の再発防止に関しては、法規制等の強化によっても不正は不可避、コストパフォーマンスも図れないとして、主に自主的な対応に委ねて他律的な規制を一般的に加える事に消極の立場がある。しかし、この立場には賛同し難い。消極の立場は他からの規制、負担を課せられるという捉え方が強い為、むしろ現状の形式に拘り、自主努力の姿勢さえ減退しかねない。それは日本企業全体のレベルダウンに繋がる。現状の形式に拘るのではなく、企業自らがその活動の機会と活動の成果を存分に確保し易い土俵作りに積極的に腐心した方がより賢明である。自社における自主的自律的な取組に加え企業一般に共通する、より良きルール作りに積極的に参画する。これが進むべき方向である。形式作りと実質装備の双方のアプローチを不断に実践し、コーポレート・ガバナンスを成熟、強化させ、内外の競争に臨む事を期待する。

平成24年5月11日 vol.9

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