朝涼の目線

-首相公選制を考える-
自民党の山本一太議員やみんなの党の浅尾慶一郎議員らの超党派の勉強会「日本型首相公選制を実現する会」が発足した。首相公選制の実現のため、その道筋等を検討し、年内を目途に提言を纏めるとのことである。この活動に賛同したい。憲法が、「内閣総理大臣は、国会で指名する」と定めているので、「国民投票によって内閣総理大臣を選ぶ」首相公選制の実現には、憲法の改正が必要となる。この実現は、事実上の改憲というアプローチはなく、正面からのアプローチしか選択肢がない。大変タフな仕事である。国会が首相を選ぶ現行の議員内閣制は、国民が選んだ多数の衆議院議員の支持の下に、内閣総理大臣が内閣を構成し、行政を執行し、国会に責任を負うという形で、行政に対する民主的コントロールを図るものであるが、必ずしも、国民は、その成果を享受していない。衆議院の多数と参議院の多数が異なる捻じれ現象も加わって、首相のリーダーシップが乏しく、内閣の行政執行が機能しないのである。首相公選制は、現行の議員内閣制に手を入れるものである。首相が、直接、国民の信認を得るという形によって、政治的な力を得るものであるが、同じく、国民から選ばれた国会議員から成る国会との関係も規律して行かねばならない問題でもある。

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