朝涼の目線

-結合企業法制について考える-
会計制度、税法制度、内部統制制度、開示規制等において、グループ
経営の実態に即した規律があるところである。結合企業法制への取組
に注目した場合、経営者・支配株主・支配会社の支配から従属会社や
一般株主の地位と利益を保護するための規律と制度の創設が急務で
あると考える。他方、グループ経営の萎縮、グループ経営の効率化・
柔軟性・グループ価値最大化の妨げを懸念する立場がある。しかし、
各企業の取締役が、各企業の企業価値・株主価値の向上と実現につい
て義務と責任を負わなければならないのであり、現状のグループ経営の
支配体制維持等の目的のために、従属会社や一般株主の犠牲を強い
る事は妥当でない。合理的かつ適正に従属会社や一般株主を保護した
透明で公正なルールの創設を怠れば、資金負託者や資金市場の安心
と信頼を得ることはできない。各企業経営の存立基盤が、資金市場等の
支えに拠っている事を軽視してはならないと考える。

平成23年4月11日 vol.4

Copyrigt©ASASUZU.All rights reserved.